スタッフブログ

物流業界の賃金


・運賃引き上げ状況
・物流管理の給料(求人掲載)
・運送業の職種別賃金
・給料アップ方法
・まとめ

運賃引き上げ状況

佐川急便は、個人が利用する宅配便の基本運賃を2023年4月1日より平均で8%引き上げると発表しました。値上げするのは5年半ぶりとのことです。配送の一部を協力会社に委託しているのですが、公正取引委員会は昨年、委託先との間でコスト上昇分(人件費や燃料費)を取引価格に反映する協議が不十分だと佐川急便に指摘しました。
今後は、委託先との取引条件を見直し、トラック運転手の待遇改善をするとの事です。
この発表で他の大手企業や運送会社も運賃の引き上げを行い、中小企業のドライバーも所得改善できればと思います。

運賃が上がらないとトラックドライバーの給料も上げる事が困難なので、大手運送会社が運賃を上げ、中小の運送会社(実運送)にも運賃を引き上げる事が必要不可欠です。

物流管理の給料(求人掲載)


物流管理の仕事の平均年収は約416万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。

月給で換算すると35万円、初任給は20万円程度が相場のようです。
派遣社員の平均時給は1,256円
アルバイト・パートでは1,027円となっています。

正社員の給料分布を見てみるとボリュームが多いのは312〜382万円の水準で、平均年収の416万円はこのゾーンよりも高い水準に位置しています。
また、地域別で比較すると最も平均年収が高い地方は関東で、その中でも東京都が508万円と高い水準になっています。 一方、最も給与水準の低い都道府県は316万円の山形県で、東京都との差は192万円にのぼります。

物流管理の地域別給料

地域年収派遣社員の時給アルバイトの時給
関東403万円1,317円1,059円
東海402万円1,268円950円
中国384万円1,252円950円
関西381万円1,299円1,010円
甲信越・北陸377万円1,150円950円
北海道・東北361万円1,195円919円
四国361万円1,000円901円
九州・沖縄358万円1,131円890円

※給料情報の算出については2023年1月に求人ボックス上で掲載されていた求人情報から算出した給料情報です。

運送業の職種別賃金


男性運転者の賃金
・特別積合わせが  1 ヵ月平均賃金で 352,900 円、年間賞与の1 ヵ月平均額を加えた月額で 411,500 円となりました。
・一般では 1 ヵ月平均賃金で 340,200 円、年間賞与 の1 ヵ月平均額を加えた月額で 368,900 円となりました。

特別積合わせと一般をあわせた男性運転者全体
1 ヵ月平均賃金が 346,200 円、年間賞与 の 1 ヵ月平均額を加えた月額で 389,200 円となりました。

車両種類別の 1 ヵ月平均賃金で高い順
・特別積合せでは大型、けん引、準中型、 普通、中型の順となっています。
・一般ではけん引、大型、中型、準中型、普通の順となっています。

大型運転者 と中型運転者の賃金の差額
・特別積合わせで  1 ヵ月平均賃金が 93,200 円、年間賞与の1 ヵ月平均額を加えた月額が 100,000 円となりました。
・一般では 1 ヵ月平均賃金が 43,200 円、年間賞与の 1 ヵ月平均額を加えた月額が 55,100 円となっています。

令和3年度 運送事業者の職種別賃金

男性従業員
職種(車両種類)月平均賃金月平均(賃金+賞与)平均年齢
運転者平均346,200円389,200円47.6
けん引386,900円436,300円49.2
大型368,900円410,500円48.8
中型307,000円339,200円47.8
準中型338,000円388,100円45.1
普通314,600円364,000円46.3
事務員340,400円399,800円45.2
荷役289,000円340,500円45.2
整備303,700円353,400円46.1
女性従業員
職種(車両種類)月平均賃金月平均(賃金+賞与)平均年齢
運転者平均291,400円318,800円44.1
けん引354,400円388,700円47.3
大型337,000円367,700円46.2
中型278,100円304,500円43.5
準中型261,300円285,500円41.0
普通254,500円280,200円43.2
事務員227,900円267,200円42.2
荷役207,600円239,200円42.6
整備229,500円277,000円39.8
全職種(男女平均)327,100円372,800円46.5


このように職種によって給料が変わってきます。男性ではドライバーの平均賃金と事務員の賃金はあまり変わりませんが、女性では5~6万円以上の違いがあります。
これから日本はドライバー不足が深刻になってくることは間違いありませんので、ドライバーの給料は引き上げられる流れになってくるでしょう。
しかし経営側からすると、物流2024年問題の労働時間規制や物価高・燃料高騰している状況で給料の引き上げはかなり厳しいので、やはり運賃の見直しをする事が重要になってきています。
運賃交渉はとても勇気がいることですが、物流業界の課題解決のために各運送事業者が真剣に取り組まなければいけない問題です。

給料アップ方法


物流2024年問題の労働時間規制でドライバーの多くは労働時間が短縮されると予想されておりますので、ドライバーとしての給料をアップすることは難しくなってきます。
そこで、ドライバーや配車をしながら給料をアップする方法をご紹介します。


【貨物利用運送事業を始める

貨物利用運送事業とは、貨物の運送を業として(有償で)運送する事業のうち、実運送事業者の行う運送を利用して行う事業のことをいいます。
自社で車両を持たない利用運送事業者のことを「水屋」と呼ぶこともあります。
貨物利用運送事業の輸送モード(実運送事業者)には、次の4つが含まれます。

・船舶運送事業者
・航空運送事業者
・鉄道運送事業者
・貨物自動車運送事業者(一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者)
なお、貨物自動車運送事業者のうち、貨物軽自動車運送事業者は、貨物利用運送事業法における「実運送事業者」に含まれていないため、軽自動車や2輪車(バイク)などの運送機関を使った利用運送は、貨物利用運送事業には該当しません。
詳しくは当社ブログ「貨物利用運送事業(水屋)」をご確認ください。
https://fieldarrow.jp/1640

貨物利用運送事業を始めて運送会社どうしの繋がりを作り、自社にあった貨物案件は自社トラックで運行すれば売り上げアップすることができ、運行できない案件は協力会社に依頼することで中間マージンを得ることができます。

一般的に事務員が行う仕事のようなイメージがありますが、運転手をしながら貨物案件の窓口をしているドライバーもいます。そこで中間マージンを得ると会社から手当が支給されるシステムです。
トラックドライバーは事務員よりも他社と接する機会が多いため、知り合いを増やすには適しています。運行管理者は別ですが、トラックドライバーをしながら配車や営業をしている人もいますので、そういう人と知り合いになり仕事のやりとりをする様になれば給料アップすることも可能です。

【物流マッチングで空車を削減する

上記の「貨物利用運送事業を始める」手段の一つとして物流マッチングの利用があります。
物流マッチング(求貨求車マッチング)とは荷物の輸配送依頼者と運送事業者(トラックドライバー)を直接マッチングするデジタルプラットフォームです。依頼者は輸配送したい荷物の量や集荷地点、届け先などの条件をプラットフォームに投稿し、運送業者は投稿された案件の中から対応したい案件を選び応募・申請することでマッチングが成立する仕組みです。
運送会社の配車係が復路(空車)の際に案件を受注することによって、運送業務を効率化できるツールとなっています。物流マッチングプラットフォームの活用によって労働生産性を向上させることが可能となります。
依頼者である荷主にとっては、季節による運送需要の変化など、運送需要の波動に合わせて柔軟にトラックを確保できる点がメリットとなります。このような利用メリットから、物流マッチングプラットフォームに登録する運送事業者の数は年々増加しています。

最近ではかんたんに登録・解約することができ、閑散期や空車を削減したい場合などに気軽に貨物情報を検索することができますので、配車係は隙間時間に、ドライバーが利用する際はトラック内で待機中などに利用し、売上を上げれば上司に昇給の交渉もしやすくなるでしょう。
また、物流マッチングには大きく分けて3つのシステムがあります。

①エージェント型
エージェント型求貨求車マッチングサービスとは、仲介業者が間に入ってニーズにあった「貨物情報」と「トラック情報」をマッチングさせるタイプの求貨求車マッチングサービスのことです。運営会社によって、荷主または運送会社が情報を入力するタイプのサービス、電話で情報を伝えて運営会社が入力するタイプのサービスに分かれます。

②掲示板型
掲示板型求貨求車マッチングサービスとは、荷主が貨物情報を、運送会社がトラック情報をそれぞれ登録し、条件にあったもの同士が直接交渉してマッチングするタイプの求貨求車サービスのことです。運営会社などが仲介しないことが、エージェント型求貨求車マッチングサービスとの違いです。当社のマッチングサービス(ITトラックス)はこちらの掲示板型求貨求車マッチングサービスであり、月額利用料のみで登録料無料・中間手数料無料で直接相手と交渉できるサービスを提供しております。

③シェアリングエコノミー型
シェアリングエコノミー型求貨求車マッチングサービスとは、アプリを利用して荷主と運送会社(トラックドライバー)がよりマッチングしやすい仕組みを提供する求貨求車サービスのことです。貨物を送りたい荷主はスマホアプリから最適な運送会社・ドライバーをマッチングして、貨物の輸配送から支払いまでをアプリ内で完結するシステムです。
運送会社はパソコンやスマホで案件を獲得し、トラックドライバーが持つスマホアプリと連携させ仕事を完結させるサービスです。

・まとめ


このように運送業の給料は勤務地やトラックの規格・業種によって差があります。
また、長距離か地場の運行かによっても違いがありますので、今回記載した平均の給料とはかけ離れている方もいるかと思いますが、2024年4月からの労働時間規制により長距離運行から地場運行に切り替える運送事業者が出てくることを想定すると平均の給料は減少する可能性があります。
そこで、ドライバー確保のために従業員の給料を上げたいと考えている事業主は「貨物利用運送事業を始める」「物流マッチングで空車を削減する」など業務効率化を図る必要があります。
また、現在の給料に満足していない人は資格を取り、上司に昇給の交渉をするのもいいかと思います。運送業の資格はさまざまですので、次回「運送業の資格」について記事を書きたいと思います。

 
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